AIR日本株ファクトブック/ワンポイントレッスン/8. 株価の高さ
EV/EBITDAって、会社ごと買うときの年数なの?
● 企業価値を、減価償却前の利益で割った倍率
「EV/EBITDAって、会社ごと買うときの年数なの?」
比喩としてはその理解で近づけるよ。EV/EBITDAは、時価総額に借金を足して現金を引いた企業価値を、減価償却を足し戻した利益で割る。会社ごと買うときの年数、という例えは便利だけど、実際に買収する値段表ではない。
「PERと何が違うの?」
PERは株の時価と純利益、EV/EBITDAは会社全体の値段と償却前利益だよ。借金が多いとEVは時価より大きく、ネットキャッシュが多いとEVは縮む。同じ利益でも、借金と現金の分だけ見え方がズレる。
「低いEV/EBITDAは、お買い得なの?」
帳簿の上では安く見えることもあるよ。でも利益がこれから細ると見られていれば、倍率は低くなりやすい。現金の塊でEVが縮んでいるだけのこともある。低い倍率は、それだけで買った方がいいという意味じゃないよ。
「出ない会社があるのは、なぜ?」
EBITDAがマイナスだと割れないし、銀行や、預り金が多い会社は企業価値の見方が普通と違うよ。EVがマイナス側に振れるときも、倍率の意味が変わる。画面で「—」になるのは、出せない理由があるときだよ。
企業価値 ÷ EBITDA = EV/EBITDA
上場企業全体の中央値は7.7倍だよ。下の表は上場企業全体のうちEV/EBITDAが正の値で取れた会社の中央値と、時価の大型・中型・小型から選んだ15社。
EV/EBITDAが正の値で取れた上場企業全体の3,029社のうち、5倍以下のは717社(24%)だよ。EBITDAがマイナスの会社や、銀行など一部の業種には出ないよ。
| 会社 | 規模 | EV/EBITDA | 中央値との差 |
|---|---|---|---|
| 上場企業全体の中央値 | — | 7.7倍 | — |
| トヨタ自動車 | 大型 | 12.4倍 | +4.7倍 |
| ソフトバンクグループ | 大型 | 50.9倍 | +43.2倍 |
| キオクシアホールディングス | 大型 | 26.6倍 | +18.9倍 |
| 東京エレクトロン | 大型 | 39.2倍 | +31.5倍 |
| 日立製作所 | 大型 | 15.8倍 | +8.1倍 |
| デンカ | 中型 | 9.3倍 | +1.6倍 |
| 東邦ホールディングス | 中型 | 9.9倍 | +2.2倍 |
| 松井証券 | 中型 | 19.2倍 | +11.5倍 |
| 共立メンテナンス | 中型 | 10.9倍 | +3.2倍 |
| ツムラ | 中型 | 7.2倍 | ▲0.5倍 |
| 不動テトラ | 小型 | 5.1倍 | ▲2.6倍 |
| 荒川化学工業 | 小型 | 9.2倍 | +1.5倍 |
| オリオンビール | 小型 | 9.9倍 | +2.2倍 |
| 空港施設 | 小型 | 5.8倍 | ▲1.9倍 |
| 日阪製作所 | 小型 | 8.1倍 | +0.4倍 |
数字は2026年9月24日時点の集計だよ。株価は直近、利益は直近確定通期。
財務は有価証券報告書、株価は市場の公開情報だよ。EV/EBITDAが正の値の会社だけを数えている。
