AIR
AIR(AI音声IR取材)
AIRセールスファクトブック
278A
産業用ドローンと関連ソフト・サービスを建設・電力・政府等に提供し測量・点検・農業の効率化や運航管理で収益を得る
有価証券報告書(2026-01期)からの抜粋。
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① UAVレーザ測量による作業短縮 UAVレーザ測量とは、ドローンに取り付けられたレーザスキャナから、地形の3次元点群データを取得し計測する手 法です。地上型レーザ測量や写真測量が適さない山林などの障害物がある現場でも測量することが可能です。 従来においては、トータルステーション(注12)や地上型レーザ測量機器を用いて、計測するポイントごとに機器 を人が移動させながら、土地の形状を測量する手法が主流でした。ドローンにレーザ測量機器を搭載し、上空から地 上のデータを取得することで、短時間かつ広範囲で測量をすることが可能となります。 測量現場作業の効率化(注13)
※作業量:0.31k㎡あたりの外業作業時間を比較 (注12)水平角と鉛直角を計測する経緯儀という器械に、測距儀の機能が内蔵された測量器械(注13)国土交通省「ICT土工事例集(測量業務編)」において、作業面積が明確であり、トータルステーションからドローンレーザ測量への効率化を行った「業務9」の作業時間(外業)を引用
② 写真測量 ドローンによる連続空中写真から3次元の点群化を実施、空中写真を正射変換(注14)し、オルソ画像(注15)を 作成することによって、平面図に近いデータとして位置情報データも保有しながら使用することが可能になります。
③ 森林測量 PT. Terra Drone Indonesiaではドローンによる写真測量・UAVレーザ測量サービスに加えて、レーザを搭載した ドローンによる森林測量を行っております。従来、インドネシアの広大な森林調査は有人航空機を利用して観測し ていましたが、レーザを搭載したドローンに置き換えることによって、計測が困難であった山間部や森林部なども 測定が可能となり、より精緻なデータ提供を行っております。
④ 具体的な製品の特徴 Terra Lidar シリーズ 国内の建設業界での課題を解決するために開発した、低コストかつ高精度の国産UAVレーザスキャナです。画期的な技術の開発やサービスの提供に取り組んでおり、販売に加えて修理対応まで当社にてサポートしています。また、公共測量にも活用可能です。 Terra Cloud 当社が独自に開発したUAVレーザ測量をサポートするクラウドサービスであり、ドローンの飛行計画作成から、 解析、3次元点群データの納品、閲覧、共有までをワンストップで完結可能なプラットフォームです。UAVレーザ測量 のデータ解析を当社の専門チームが実施することで、機材購入後すぐに運用開始することが可能です。 Terra SLAM RTK 高精度なSLAM技術を搭載したハンディ型3Dスキャナであり、測量精度5センチの点群データを取得できます。従来の測量手法と組み合わせることで、測量平面図の作成やICT工事での活用が可能です。 (注14)中心投影で撮影されている空中写真を正射投影機を用いた正射投影した像への変換作業(注15)写真上の像の位置ズレをなくし空中写真を地図と同じく、真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位 置に表示される画像に変換したもの 2点検事業 近年、世界各地において、石油化学プラントをはじめとする各種施設の点検現場では、作業員不足に加え、高所作業に伴う事故リスクや稼働停止の影響が課題となっており、ドローンを活用した点検ニーズが高まりを見せています。 ドローンの活用により、従来、高所作業に必要とされていた仮設足場の組み立て・撤去や、作業員が立ち入って実施していた点検作業を代替・削減できます。これにより、点検コストの削減、稼働停止による機会損失の低減に加え、作業員の安全確保を図りながら、迅速な点検を可能にしています。 当社は、海外事業者向けの法定定期点検および国内事業者向けの自主点検を対象としたドローン点検サービスの提供、ならびに機体販売・クラウド提供を通じて収益を得ております。超音波により板厚検査が可能な「Terra UTドローン」を用いた超音波(UT)点検サービスを提供するとともに、屋内点検用ドローン「Terra Xross 1」の開発・販売も進めております。
① ドローンを活用した点検サービス サービス概要 日本国内の工場では定期点検を行うことが建築基準法第12条で義務付けられていますが、天井の点検は非常に高所であることから実施が難しく、これまで安全面での問題や点検にかかる人的コストの問題が発生していました。当社は、自社開発した特許取得済みのTerra UTドローン(特許番号:PCT/NL2018/050575, PCT/NL2019/050197)を用いて、天井クレーンの超音波探傷点検を行うことによって、人力により高所作業を行う必要がなくなり、安全でかつ迅速な点検を可能にしております。当社Terra UTドローンの展開が加速し、連結子会社であるTerra Inspectioneering B.V.では、石油メジャーであるシェルの欧州最大規模の製油所での点検や、世界最大手総合化学メーカーBASFでの点検などを提供しております。 Terra UTドローン ドローンとして初めて、タンクなどの表面を壊さずに板厚点検が可能な超音波探傷機能(注16)を搭載した当社製ドローンです。Terra UTドローンには、接触媒(カプラント)ディスペンサーが搭載されており、飛行中でも探触子(注17)にカプラントを供給できるため、タンク表面を傷つけることなく、錆や油等を削る作業を伴う点検にも対応し、効率的に検査を進めることができます。また、3つの高精度カメラを搭載しており、飛行中のドローン映像に加えて、計測中のUTグラフを地上からリアルタイムで確認することも可能です。さらに、「Terra Inspection」というソフトを用いることで、測定データをクラウドに出力し、3次元点群データと写真を連携させることが可能です。 (注16)超音波を用いて内部の傷を測定することができる機能(注17)超音波を発生または受信するためのセンサーで、主に非破壊検査に使用される
② FPSOでの点検サービス 当社は、三井海洋開発株式会社と共同で、同社がブラジルでオペレーションを行うFPSO(注18)であるFPSO Cidade de Mangaratiba MV24において、ドローンによる原油貯蔵タンク内の船体板厚計測を完了し、FPSOでのドローンによる板厚計測方法について、世界的な船級協会の1つであるABS(注19)の承認を取得しております。 更に、2024年7月には、同社と海洋プラットフォーム向け検査ドローンの共同研究開発契約を締結(注20)し、本契約を通じて開発するドローン検査技術を当社FPSOのみならず広く業界に浸透させ、海洋プラットフォーム操業における業界の共通課題である労働安全環境向上と省人化に貢献することをビジョンに掲げています。
③ Terra Xross 1 「Terra Xross 1」は、ビジュアルセンサーとLiDARを搭載することで屋内環境でも安定した飛行を実現し、タンク、煙突、ボイラー、配管等の屋内インフラ設備における目視点検(ひび割れ、塗装剥がれ等の異常検出)に対応しています。さらに、同等性能の他社製品と比べて約3分の1の低価格を特長としています。 加えて、ドローンで取得した点群データや撮影データをクラウド上で一貫して管理・共有できる「Terra Xross Cloud」を提供しており、点検結果の可視化や関係者間での情報連携を支援しています。Terra Xross 1については、米国、オランダ、ドイツ、台湾、チリ、イタリアの6カ国で代理店販売契約を締結しており、海外展開を進めています。
④ AIを搭載したドローン自動鉄塔点検システムを開発(注21) 当社は、九州電力送配電株式会社にて、AIによるがいし(注22)自動検出機能を搭載したドローンを用いた自動鉄 塔点検システムを導入し、九州エリア約25,000基の鉄塔のうち、本システムを適用可能な形状の鉄塔である約15,000 基まで運用を拡大しています。ドローンの飛行、AIによるがいしの検知、ドローンに搭載したカメラの調整・撮影な どを全て自動で行い、鉄塔の点検作業を大幅に省力化することが可能となりました。従来は、ドローンを手動操作し て点検を行っており、1基あたり約110分程度を要しておりましたが、本システムを導入することで、1基あたり約60 分で行うことが可能となり、点検時間は従来と比べて約50%削減されます。 (注18)Floating Production, Storage and Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(注19)American Bureau of Shipping:米国船級協会(注20)https://www.modec.com/jp/news/2024/20240701_pr_TerraDrone.html(注21)https://www.drone.jp/news/2024050810150887569.html(注22)電気が電線から鉄塔に流れないようにするための絶縁物 3農業事業 現在、農業の分野において、精密な作物管理や高効率な生産手法を実現するため、ドローン活用の可能性が急速に拡大しております。2030年には農業用ドローンの世界市場は最大142億9,020万ドル(約2兆680億円)(注23)に成長する見込みです。 そのような環境下において、当社はインドネシア及びマレーシアにおける農業用ドローン市場に本格参入する ため、2023年7月に連結子会社PT. Terra Drone Indonesiaを通じAvirtech Solutions Pte.Ltd.の農業関連事業を買 収し、また、マレーシアでも事業展開を行うため子会社としてTerra Drone Agri SDN. BHD.を新規設立致しました。 パーム油(注24)の元となるアブラヤシは十分な日照と高温湿潤な気候が必要であり、インドネシアとマレーシアはパーム油の主要な生産地として世界における生産の約8割(注25)を占めています。しかし、労働環境が厳しい上、労働力が不足しているなど、インドネシアとマレーシアのパーム油産業は深刻な問題を抱えています。 当社が事業を買収したAvirtech Solutions Pte.Ltd.は、インドネシアとマレーシアで2017年よりドローンを用いたパーム油農園の農薬散布事業を展開しております。他社に先駆けてスプレー半径10cm以内での高精度な農薬散布を可能にする技術を有しており、ドローン農薬散布事業のリーディングカンパニーの1社となっております。 パーム油産業の労働力不足の解消や作業員の安全確保、生産性の向上に寄与し、産業課題の解消やサステナビリティに配慮したパーム油の生産支援に寄与しております。収益は主に、農地面積ベースの農薬散布サービスの提供となります。また、2024年3月21日より、新規事業として肥料散布事業に参入することを発表しており、パーム油生産大手SinarMasのグループ会社であるSMART Tbkと肥料散布事業の新プロジェクトに関する契約に合意しています。パーム油農園の管理における肥料プロセスのデジタル化と最適化を目指すことで、業務効率を大幅に向上させつつ、環境への影響を軽減します。加えて、2025年8月には、ヤンマーホールディングス株式会社のグループ会社PT. Yanmar Diesel Indonesiaと、自社開発の農業用ドローンに関する販売パートナー契約を締結しており、インドネシア政府およびコメ農家をはじめとする農業従事者に向けて、自社開発の農業用ドローンの販売も開始しております。 提供ソリューション (注23)株式会社グローバルインフォメーション「農業用ドローンの世界市場- 2023-2030」(注24)アブラヤシの果実から抽出される食用油。食品用や化粧品等様々な商品に幅広く使われている一般的な植物油(注25)米国農務省(USDA) Palm Oil 2023World Production
① ESG経営の推進 当社グループはインドネシアとマレーシアで農業事業に参入し、持続的な成長とグローバルでの新しい価値提供を目指し、環境への影響を最小限に抑え、農業労働者の作業負荷を軽減していくことによってESG経営を推進しております。また、RSPO(Roundtable Sustainable Palm Oil)(注26)の認証を受けている先のみを顧客対象としていることもESG経営の考え方を反映しております。
② パーム油市場の成長性 パーム油の生産量は2021年には81百万トンに達し、その生産の約84%を担うのが、インドネシアとマレーシアです。今後も、世界の人口増加に伴い、人々の生活を支えるパーム油の需要は増加していくと考えられています。 (注26)持続可能なアブラヤシ製品の成長と使用を促進することを目的として、2004年に設立された非営利組織
③ アブラヤシ栽培において、ドローンによる農薬散布が適している理由 パーム油の原料となるアブラヤシ栽培において、農薬の効果を十分に得るためには、ヤシの実等へ直接散布する ことが必要となります。手動散布の場合、スプレー散布によりヤシの実等へ直接散布することは可能ですが、少人 数で広範囲を周る必要があるためムラが生じやすいという欠点があります。また、セスナなどの小型飛行機の場合、 上空からの一斉散布となるため十分な散布効果が得られないとされています。一方、ドローンでの散布の場合、噴射 スプレーのアタッチメントがついたドローンで散布を行うことでヤシの実等への直接散布が可能になることに加え、 手動散布と比較してムラなく効率的な散布が可能となります。 散布方法の違いによる特徴の比較 [運航管理セグメント] ドローンの普及や空飛ぶクルマ(UAM : Urban Air Mobility)の実用化が進むことによって、多数の飛行体が低空域で往来する社会実装に備え、安全で効率的な運航を実現する「空のインフラ」構築を進めております。 1UTM事業 当社の欠かせない事業の一つであるUTM事業において、国内では2022年12月に航空法が改正され、有人地帯におけるドローンの目視外飛行(目視の範囲を超えての飛行)を行える「レベル4」 が認められるようになりました。近年、ドローンや空飛ぶクルマの利活用は、物流、警備、災害対応など、多岐にわたる分野で注目され、運航管理と安全対策の重要性が高まっています。 今後、さらに多くのドローンが飛行し混雑が予想される低空域において、目視外飛行における安全確保のために は、安全な自動車運行のための道路交通環境の整備や、航空機の安全運行のための管制業務のような運航管理システ ムが必要になってきます。 レベル4飛行でできること(注27) (注27)https://www.mlit.go.jp/koku/level4/(国土交通省:無人航空機レベル4飛行ポータルサイト)
① UTMの役割 UTMは「無人航空機運航管理システム」と日本語訳され、ドローンの運航を管理するプラットフォームのことを指し ております。交通インフラの役割は、安全維持と交通の効率性の最適化ですが、自動車の場合、信号や高速道路など 車の動きを管理し、車同士の衝突を避けるために欠かせないインフラがあります。飛行機の場合、管制官や管制塔が 機体を操縦するパイロットを支えています。ドローンも同様、安全な運航を実現するために、高速道路、信号機、交 通規則と同様のインフラストラクチャが必要になると考えられます。現在、多くの国や地域において、ドローンが飛行する低空域では十分な空域管理がなされておらず、安全の十分性が確保できておりません。今後ドローンが幅広く普及していく世界になることが予想され、目視外飛行(目視の範囲を超えての飛行)を実現した場合、ドローン同士や、ドローンと有人機との衝突を回避する仕組みを作ることで、空の安全を守りながら、ドローンの利活用を効率化していく事業こそ不可欠になると考えております。 従来の航空機には有人のパイロットがいるのに対して、ドローンはデジタル技術と高度なコネクティビティを持 ち、遠隔操作または自動制御による運航も想定されます。そのためUTMは運航管理の自動化とデジタル化を前提に設計 されており、スケーラブル(技術的な柔軟性を持った)なソリューションを提供することが可能となります。これらの 拡張性によって、UTMはフライト数の増加や複雑な空域管理要件に対応できるようになり、中長期では既存の航空交通 管理(ATM:Air Traffic Management)がUTMと融合していくと見られております。(注28) (注28)参考:https://acubed.airbus.com/a-new-digital-era/
② Unifly NVのUTM導入実績 当社は、世界におけるUTMのリーディングカンパニーであるUnifly NV(本社:ベルギー)が展開するUTMが、業界全体の発展を支えるインフラとして重要であると考え、当社設立の2016年からわずか9ヶ月以内の2016年11月、同社(2015年8月創業)への出資を行いました。その後、2023年7月、国土交通省傘下の官民ファンドである株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(略称JOIN)との特別目的会社を通じた共同出資によって当社の連結子会社になっております。(なお、JOINとの合弁事業はその目的を完遂しており、2025年8月に同社との合弁契約は解消しております。) Unifly NVの大株主は、当社の他、ドイツの航空管制局(Air Navigation Service Provider、以下、ANSP)であるDFS(Deutsche Flugsicherung GmbH、100%ドイツ政府資本)や、ベルギー政府傘下のファンドSFPI-FPIMであり、Unifly NVは、UTM技術開発のリーディングカンパニーとして、実証やPoCだけではなく国全体への実装レベルの提供を行っております。自動承認を含むUTMのオペレーションを提供する企業として、技術力と信頼性が評価され、欧州を中心とした各国のANSPへのUTM提供実績を誇り、当社グループはグローバルにおけるUTM業界の発展に貢献しています。 民間UTM事業者の導入実績(注29)
※ UTM実装済/稼働実績あり:実証実験段階の国も含む
※ 1国に複数の事業者が存在する場合は最大シェアの事業者を記載(注29)2024年7月時点。SMBC日興証券株式会社の依頼により有償で実施された、UTM関連の規制当局・団体、各種ドローン業界レポート、各ドローン関連企業の公開情報、業界有識者インタビュー等を基にアーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社作成「UTM(ドローン運航管理システム)グローバル市場調査プロジェクト成果物資料(最終報告書)」を基に当社作成
③ UTM事業の収益構造 UTM事業の収益は、初期導入料のスポット収益に加え、年間ライセンスや飛行回数に応じた従量課金等のリカーリン グ収益が主となっております。その他、顧客別要求となる追加開発費用、他システムとの連携等、要求により追加で 機能実装を行うケースがあります。
※現在は「3. 本格運用」までサービス提供しており、「4. 空飛ぶクルマ支援」について提供を保証するものではありません。 ≪事業系統図≫
財務は有価証券報告書、株価は市場の公開情報。 数値の正確性は保証しません。 水色のセルは、次の基準を満たすときです。成長率20%以上/総利益率70%以上/販管費率10%以下/営利率20%以上/Rule of 40が40%以上/セールス効率150%以上/PSRがRule of 40×7以下/PGPRがRule of 40×10以下/PERが成長率×100以下/PBRが営利率×10以下/ネットキャッシュが時価総額の50%以上/EV/EBITDAが5倍以下/自己資本比率80%以上/ROE20%以上/ROA10%以上。