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医薬品医療機器AIプログラム医療機器の研究開発を行い大学等との共同研究でPoCまで進め製薬企業等へライセンスアウトすることで収益を得る
有価証券報告書(2026-03期)からの抜粋。
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(1) 事業モデル自社開発品(自社シーズ)を有する一方で、大学等から外部シーズを獲得し医師主導治験を活用しながら治療コンセプトの実証PoC(Proof of Concept)まで成長させ、製薬企業へライセンスアウトすることが、当社のビジネス・モデルです。現パイプラインの中で、自社シーズは、PAI-1阻害薬及びピリドキサミン等の医薬品や極細内視鏡(医療機器)であり、外部シーズはプログラム医療機器(AI)が該当します(「事業の内容
(2) 当社のコア技術」をご参照ください)。多様なモダリティ(医薬品、医療機器、AIを活用したプログラム医療機器等)の研究開発を業務としていますが、大学など公的研究機関との共同研究で基礎研究~非臨床試験を行い、さらに臨床開発(医師主導治験)までを一気通貫でつなげる開発を行っています。自社シーズに対する臨床応用の可能性を広げるために基礎研究~非臨床試験を広く展開する必要があります。当社では、自社化合物をオープンリソースとして研究者に提供することで新たな用途の発見(適応拡大)に積極的に取組んでいます(オープンイノベーション)。非臨床試験の成績から、科学的や医学的な重要性や新規性、事業性の視点からプロジェクトを選定し、臨床試験(医師主導治験)で検討します(図表3)。共同研究を実施した大学等研究機関と共同で基礎研究~非臨床試験に対する特許(用途特許)を出願し、共同研究先から独占実施権の許諾を受けた後に、臨床開発~事業化に取り組みます。 < 図表3 当社の事業戦略 >TREx:東北大学レナサイエンスオープンイノベーションラボHiREx:広島大学レナサイエンスオープンイノベーションラボ 国内・海外の製薬企業等(出口企業)に対して、製品の開発権、製造権、販売権等をライセンスアウトすることで、契約一時金、開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収入、製品上市後に売上高の一定割合が支払われるロイヤリティ収入、売上高に対する目標値を達成するごとに支払われる販売マイルストーン収入等を得る事業モデルを採用しています(図表4)。比較的早期の研究開発段階において、将来のライセンス契約を前提としたオプション権付き共同研究契約(オプション契約)を出口候補企業と締結することもあります(事業系統図の(共同研究))。当社の事業セグメントは、医薬品、医療機器などの開発・販売等のみの単一セグメントであり、事業系統図及び事業収入の形態は以下のとおりです。 < 図表4 事業系統図及び事業収益形態 >(事業系統図) (事業収入の形態) 収入形態内容a.アップフロント収入(契約一時金収入)オプション契約(第一交渉権付与)やライセンス許諾の契約時に一時金として得られる収入b.マイルストーン収入開発段階ごとに設定した目標(開発マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入。また、製品上市後に、売上高に対する目標値(販売マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入c.ロイヤリティ収入製品が上市された後に、ライセンス許諾の契約を締結した導出先事業会社より当該製品の売上高に対して予め契約によって設定した一定割合を得られる収入d.共同研究・受託研究収入当社の知的財産を活用した共同研究・受託研究実施の対価として得られる収入 < 図表5 当社の事業戦略 >1研究開発・公的研究機関や医療機関との連携・多様なモダリティ・豊富なパイプラインと適応疾患・医師主導治験の実績と経験■24件の臨床試験(第Ⅰ相、第Ⅱ相)を実施済み・国内バイオベンチャーとして最大級の臨床試験実績■7件の臨床試験(2件の第Ⅲ相を含む)を2026年度実施中■公的研究機関や医療機関と連携し、迅速かつ効率的に基礎研究から非臨床試験、さらに臨床試験までを実施・自社シーズをオープンリソースとして提供し、適応拡大によりパイプラインを拡大・適応疾患に最適な医療機関で臨床開発を実施■オリジナルな医療シーズ・がん幹細胞に着目した慢性骨髄性白血病治療薬・抗加齢、長寿内服薬(セノリティック医薬品)・免疫チェックポイント阻害内服薬(悪性黒色腫、血管肉腫、非小細胞肺がん、膵臓がん)・抗線維化作用、抗炎症作用に基づく肺疾患治療薬(COVID-19肺障害)・脱毛症治療薬(男性型、加齢性)・腹膜透析用の極細内視鏡(径1mm程度)・人工知能を活用した診断や治療を支援するプログラム医療機器■医薬品ではPAI-1阻害薬のがん、抗加齢・長寿領域での開発に注力2企業提携・PoC取得後のライセンスアウトによる開発コストの低減・企業価値の最大化・ライセンスアウトの確度を高めるためのオプション契約等出口戦略を重視■PAI-1阻害薬(RS5441)の脱毛症治療薬としての権利を米国Eirion Therapeutics Inc.(エイリオン社)に導出■ディスポーザブル極細内視鏡(RS9001)を株式会社ハイレックスメディカルに導出■呼吸機能検査診断AIをチェスト株式会社に導出■維持血液透析医療支援AIを、ニプロ株式会社、東レ・メディカル株式会社と共同開発3公的資金活用による自社研究開発費用の削減■慢性骨髄性白血病、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、ディスポーザブル極細内視鏡、維持血液透析医療支援AI、糖尿病医療支援AIで公的資金活用4多様なモダリティのポートフォリオ形成による事業リスクの低減、早期の黒字化と将来の収益確保■医薬品事業は、研究開発費や研究開発期間が大きく事業リスクは高いが、上市後には極めて高い収益■医療機器やプログラム医療機器の事業収益は医薬品と比べると小さいが、研究開発費や研究開発期間のリスクは小さく、早期収益■これら2つの事業ポートフォリオを、同時に複数のパイプラインで進めることでリスクを分散し、早期の黒字化と将来の収益を期待5オープンイノベーションの推進■2022年1月東北大学にオープンイノベーションラボ(Tohoku University x Renascience Open Innovation Labo:TREx)を開設■2023年4月広島大学にオープンイノベーションラボ(Hiroshima University x Renascience Open Innovation Labo:HiREx)を開設■2025年1月ノースウエスタン大学Potocsnak Longevity Institute(長寿研究所)の日本の研究室を東北大学内のオープンイノベーション拠点である東北大学レナサイエンスオープンイノベーションラボ(TREx)内に設立
(2) 当社のコア技術
① 当社のパイプライン概況(2026年5月末現在) < 図表6 パイプライン >
② パイプラインの概要 当社の研究開発活動の方針事業ポートフォリオ当社は、大きく医薬品と医療機器・プログラム医療機器の2つの事業ポートフォリオを手掛けていますが、これはリスクを分散し、早期の黒字化と将来の収益の拡大を目指すからです(図表7)。医薬品事業は研究開発費や研究開発期間の規模が大きく事業リスクが高い分野ですが、上市後には高い収益が期待できます。一方、医療機器やプログラム医療機器事業は医薬品と比べて市場規模は小さいものの、研究開発費や研究開発期間の規模や事業リスクは小さく、比較的早期に当社収益に繋がります。 < 図表7 開発戦略 > がんと抗加齢・長寿医薬品領域では、PAI-1阻害薬(RS5614、RS5441)の開発が主体です。PAI-1阻害薬RS5614は、免疫系を活性化しがん細胞や老化細胞の除去を促進させるなどの作用の他に、抗血栓、抗炎症や抗線維化など多様な作用を有しています。がんに対しては、国内で複数のがん種に対する試験を実施中です(慢性骨髄性白血病第Ⅲ相試験、悪性黒色腫第Ⅲ相試験、血管肉腫第Ⅱ相試験、肺がん後期第Ⅱ相試験)。まずは、日本で希少がん(悪性黒色腫、血管肉腫、慢性骨髄性白血病)に対する薬事承認を取得することにより、本医薬品の上市と臨床応用を目指します。悪性黒色腫の第Ⅲ相試験は既に日本で開始しているため(2025年2月18日適時開示)、薬事承認に向けての国外でのブリッジング試験を複数の国の規制当局と協議中です(2025年12月15日適時開示)。血管肉腫に関しては、日本で実施中の第Ⅱ相試験が終了し(2025年12月12日適時開示)、既存治療に比べて極めて良い結果が得られたので(2026年2月10日適時開示)、薬事承認に向けて速やかな第Ⅲ相試験を実施する予定です。並行して、肺がん、膵臓がんなどがん種の適応を拡大し、将来の大きな市場を確保するための第Ⅱ相試験を実施しています(2025年11月26日適時開示、2025年12月16日適時開示)。さらにPAI-1阻害薬では、超高齢化社会の到来を迎えて、今後国際的に著しい成長が期待される「抗加齢・長寿分野」の研究並びに事業にも注力します。近年、これまでの古典的な老化治療(食事療法、運動療法、睡眠療法、サプリメントなど)とは異なる新たな老化に対する治療アプローチやモダリティ[幹細胞治療、エクソソーム治療、エピジェネティック・リプログラミング(老化細胞若返り)、セノリティクス(老化細胞除去)]が提案されており、臨床試験も展開されつつあります。「老化」への治療法開発という挑戦は、社会構造の基盤となるヘルスケアのイノベーションをもたらし、重要なプラットフォーム事業としても捉えられているために、高額な資金が投資されている分野です。当社のPAI-1阻害薬(RS5614)は、複数経路にまたがり統合的に介入することで、崩れた生体全体の機能を改善できる医薬品候補です。老化環境の改善、老化細胞の除去及び生物学的年齢の若返りを通じて、種々の加齢疾患を予防・治療できる可能性を有しており、セノリティクス医薬品としては適したプロファイルとモダリティを備えています。本剤は生物製剤や核酸系医薬品ではなく、低コストで大量合成可能な低分子化合物(分子量:424.81、錠剤)です。大量の工業的生産が可能で、安定した品質の医薬品を生産可能で、グローバルな供給が可能です。RS5614は経口投与が可能で、他の生物製剤とは異なり、自宅で投与できます。細胞製剤、エクソソーム、遺伝子治療などのバイオ医薬品とは異なり、地理的又は物流上の制約を受けることなく容易に輸送できます。細胞製剤やエクソソームとは異なり、ドナーも必要としません。最も重要な安全性に関しても、細胞製剤、エクソソーム、遺伝子治療などのバイオ医薬品に比べて副作用が少ないことはメリットであり、XPRIZE Healthspanのセミファイナル試験でも、高い安全性が確認されています。世界的な高齢化は、先進国と新興国の両方において深刻な社会問題となっています。長寿医療は、富裕層だけでなく、多くの人々にとって必要な医療でなくてはならず、内服薬であるRS5614は、幹細胞治療、エクソソーム治療、エピジェネティック・リプログラミング遺伝子治療、他のモダリティによるセノリティクス医薬品に対しても優位性は高いと考えます。『ヒトが心身共に生涯にわたって健康を享受できるための新しい医療を創造する』という当社理念の実現のみならず、超高齢化という社会的及び医学的に大きな課題を解決することができ、さらには当社の企業価値の向上にも大きく貢献できます。PAI-1阻害薬RS5614は、がんで薬事承認を受けた後に、抗加齢・長寿関連疾患の医薬品として使用されることが想定されるため、国際的な認知度や実績の蓄積が必要であり、XPRIZE Healthspanへの参加と入賞によりセノリティック医薬品としての成果と評価が高まれば、国際的な事業展開が期待されます。RS5441の実例(導出先のエイリオン社で男性型脱毛症及び加齢性脱毛症外用薬として開発中)もあり、今後PAI-1阻害薬RS5614の感覚器(皮膚科など)あるいは骨筋肉領域の医療用医薬品やOTC医薬品に関しても非臨床試験を進める予定です。 (a) RS5614(PAI-1阻害薬) 〔 PAI-1阻害薬 〕PAI-1は血栓の分解(線溶系という)に必要な分子ですが、近年ではがんや抗加齢・長寿に関連して発症する種々の疾患に関与することを強く示唆する一連の知見が明らかとなっており、がんや抗加齢・長寿に関わる創薬の標的と考えられます。しかし、これまでヒトのPAI-1分子の活性を阻害できる医薬品は、臨床応用されていません。当社は、加齢に伴い生じる一連の疾患を治療できる可能性を持ったPAI-1阻害薬の開発に取り組んできました。ヒトのPAI-1分子の結晶構造を基に、コンピューター工学を利用した約200万バーチャル化合物ライブラリーの探索から96個のPAI-1阻害候補化合物を取得しました(図表8)。PAI-1活性阻害作用(PAI-1による組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)阻害抑制)及びPAI-1/tPA複合体の形成阻害を指標として、新規阻害化合物を10年以上かけてこれまで1,400個以上合成スクリーニングし、さらにそれらの活性や安全性などを評価する中で、安全性に優れた経口投与可能な臨床開発候補化合物RS5614を取得いたしました。当社のPAI-1阻害薬はPAI-1分子内のビトロネクチン結合部に結合し、PAI-1を不安定化してその分解を促進する可能性が示されました(図表9にRS5484を例示、International Journal of Molecular Sciences 2021)。 < 図表8 新規PAI-1阻害薬の合成と構造最適化による臨床開発候補品の取得 >(出典:東北大学) < 図表9 PAI-1とPAI-1阻害薬RS5484複合体のX線構造解析 >(出典:東北大学) 〔 RS5614の薬剤概要 〕非臨床安全性GLP試験1)安全性薬理試験ではhERG試験(10 μM)、ラットの中枢神経系(300 mg/kg)、サルの心血管系及び呼吸器系試験(300 mg/kg)で陰性、2)一般毒性試験ではラットの26週間経口投与試験(無毒性量400 mg/kg/日)、サルの39週間経口投与試験(無毒性量30 mg/kg/日)で陰性、3)遺伝毒性試験では法定3試験で陰性、4)光毒性試験陰性、5)生殖・発生毒性試験も陰性です。以上の安全性試験の成績を含めて、薬物動態試験や物性データなどの製造販売承認を行うために必要な非臨床試験成績を有しています。 第Ⅰ相臨床試験(健常成人男子)薬機法に基づくGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)条件下での医師主導治験で、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理に関する基準)で製造された治験薬を用いて実施しました。第Ⅰ相単回投与試験では、RS5614の240 mgまでの安全性が確認され、第Ⅰ相反復投与試験においては、120 mgを7日間経口投与した際に発現した有害事象はいずれも軽度でした。 知的財産権RS5614に関して、物質特許(出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本・米国・欧州・カナダ・豪州・中国・韓国・インド 登録済、存続期間満了日:米国 2030年8月7日、日本を含むその他各国 2030年3月31日)に加えて、非臨床試験や臨床試験からがんや抗加齢・長寿に関わる複数の用途特許(
①慢性骨髄性白血病治療用途、出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本・米国・欧州 登録済、存続期間満了日:2034年4月15日、
②免疫チェックポイント分子の発現抑制、出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本 登録済、米国・欧州 出願中、存続期間満了日:2040年9月30日)、
③線溶系亢進薬、及びその用途、出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本 登録済、米国・欧州 出願中、存続期間満了日:2041年5月30日(見込)、
④エフェロサイトーシス亢進剤、出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本出願中、
⑤PAI-1阻害薬の抗加齢・長寿作用、出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本出願中)を出願することで、知的財産権の有効期間を延長しています。RS5441に関して、物質特許(出願人:株式会社レナサイエンス、最新状況:日本、米国 登録済、存続期間満了日:2029年3月31日)を出願しています。導出先のEirion Therapeutics Inc.(エイリオン社)でも用途特許を出願して、知的財産権の有効期間を延長しています。 導出男性型脱毛症治療を含む皮膚疾患領域におけるRS5441の用途については、2016年6月に米国Eirion Therapeutics Inc.に独占的実施権を許諾しました。RS5614のがん領域(慢性骨髄性白血病、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、血管肉腫、膵臓がん)や抗加齢・長寿については国内外の製薬企業などに導出し、実用化する予定です。 〔 慢性骨髄性白血病(CML)治療薬 〕血液がんである慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄内の「骨髄ニッチ」と呼ばれる部位に存在する血液細胞の元になる細胞(造血幹細胞)の遺伝子に変異が生じ、がん化した疾患です。CMLに対する標準治療は、イマチニブなどの分子標的治療薬であるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。TKIの開発によりCML患者の生存率は大きく改善しました。TKIはCML細胞には作用しますが、CML細胞の元になる細胞(CML幹細胞)には作用しないことから、TKIを休薬するとCML細胞は再び増殖し、がんが再発します。CMLを治療するためには長期にわたる高額なTKI治療の継続が必要です。最近、深い分子遺伝学的奏効(deep molecular response、DMR:がんの原因遺伝子が検出されない状態)が一定期間継続しているCML患者では、TKIを中止しても再発が生じない状態(無治療寛解維持)となることが明らかになりました。しかし、3年間程度の治療期間で無治療寛解維持を達成できる患者の割合は5~10%にしか過ぎません。無治療寛解維持を達成するためには、少なくとも2年以上のDMRの維持が必要とされています。当社PAI-1阻害薬RS5614はCML幹細胞に作用して骨髄ニッチから遊離させます(Blood 2017)(図表10)。遊離したCML幹細胞はTKIにより死滅するため、骨髄ニッチのCML幹細胞は消滅して、CMLを根治できる可能性が示唆されました。実際に、CMLモデルマウスにRS5614とTKIを併用することで、TKI単独投与に比べて骨髄に残るCML幹細胞数が著明に減少し、生存率を大きく向上させることが可能です(Blood 2017)。 < 図表10 PAI-1阻害薬によるがん幹細胞動員の分子機序 >(出典:東海大学) 後期第Ⅱ相試験CML患者を対象にTKIとRS5614を併用し、RS5614投与開始後48週の有効性と安全性を確認するための後期第Ⅱ相試験(非盲検)を、東北大学、秋田大学、東海大学の大学・医療機関で実施しました。その結果、33例中DMRを達成した症例は11例(33.3%)であり(TKI治療期間が3年以上5年以下の患者では50.0%)、過去の試験結果に基づくヒストリカルコントロールの8%と比較して4倍程度上昇できました。重篤な有害事象も認められず、TKIとRS5614併用の有効性及び安全性が確認されました(Cancer Medicine 2023)。 第Ⅲ相試験後期第Ⅱ相試験の成績に基づいて、東北大学、東海大学、秋田大学など12の大学・医療機関と共同で、CML患者を対象にTKIとRS5614の併用効果を検証するプラセボ対照二重盲検の第Ⅲ相試験を実施中です(2022年8月3日適時開示)。本試験は日本医療研究開発機構(AMED)「革新的がん医療実用化研究事業(代表機関:東北大学、当社は分担機関)」の助成を受けています(2022年3月22日適時開示)。TKI治療期間が3年以上6年未満のCML患者60例を対象とし、TKIとRS5614の併用によるDMR達成率の有意な上昇と2年間の無治療寛解維持を検証します。2024年12月に実施されたAMED「革新的がん医療実用化研究事業」の最終年度評価の結果、第Ⅲ相試験の目標症例数の登録が予定通り2023年12月に完了し、順調に実施されているとの理由から、助成期間が延長されました(2024年12月3日開示)。2026年3月期さらに2027年3月期にも助成を受けることが決定しました(2025年5月7日、2026年2月12日適時開示)。 〔 悪性黒色腫(メラノーマ) 〕悪性黒色腫は表皮にある色素を作る細胞(メラノサイト)のがんで、悪性度が高いがんです。欧米に比較すると日本の患者数は約4,000人と希少ながんです。日本人患者は海外患者とは異なる遺伝子変異を有することから、標準治療である免疫チェックポイント阻害薬、特に抗PD-1抗体(ニボルマブ、商品名オプジーボ)による治療効果が限定的であることが報告されています(Ann Oncol. 2020)。抗CTLA4抗体(イピリムマブ、商品名:ヤーボイ)とニボルマブとの併用による奏効率は33.3%と、ニボルマブ単剤の20%と比べて高いですが、併用患者の約70%で重度の免疫関連副作用が発症することが問題となっています。さらに、2種類の高額な抗体医薬を使用しなければなりません。そのため、副作用が無く、奏効率を向上でき、抗体医薬より安価な、内服で使用できる簡便な併用薬の開発が望まれています。 第Ⅱ相試験民間非営利組織(NPO)「Japan Skin Cancer Network(JSCaN)」に属する東北大学、筑波大学、都立駒込病院、近畿大学、名古屋市立大学、熊本大学の6大学と共同で、悪性黒色腫に対するRS5614とニボルマブとの併用の有効性と安全性を確認するための第Ⅱ相試験(非盲検)を実施しました。本試験は、AMED「橋渡し研究プログラムシーズC(代表機関:東北大学、当社は分担機関)」の助成を受けて実施した多施設共同、非盲検試験です。RS5614をニボルマブと8週間併用することにより、29例の患者のうち7例において奏効(24.1%)が確認され、ニボルマブとイピリムマブの併用の奏効(海外21%、国内13.5%)を凌駕する結果が得られました(2024年2月22日適時開示)。さらに、ニボルマブとRS5614の併用により62%という高い病勢制御率も得られました。一方、ニボルマブとイピリムマブ併用で生じる重篤な免疫関連副作用は認めませんでした(2024年2月22日適時開示)。本試験の結果は科学誌『British Journal of Dermatology』に掲載されました(2024年6月7日適時開示)。第Ⅱ相試験の結果から、厚生労働大臣指定「希少疾病用医薬品」を受けました(2024年9月2日適時開示)。希少疾病用医薬品指定を受けたことにより、悪性黒色腫治療薬としてのRS5614の薬価算定における市場性加算が加わり、さらに承認後の再審査期間が延長されて本治療薬事業の独占期間が長くなります。 第Ⅲ相試験現在、根治切除不能悪性黒色腫患者124例を対象に、ニボルマブとRS5614との併用の有効性及び安全性を検証する第Ⅲ相試験を、ランダム化プラセボ対照二重盲検試験として、東北大学病院など国内18施設で実施しています(2025年2月18日適時開示)。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の令和7年度希少疾病用医薬品等試験研究助成事業に、第Ⅲ相試験を対象とした申請が採択され(2025年7月16日適時開示)、2025年4月~2028年3月の間の3事業年度において、悪性黒色腫の関連研究費として支出した経費の2分の1を上限とし、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の当該事業予算の範囲内で事業年度毎に助成を受けられます。本第Ⅲ相試験では、124名の患者を予定していますが、2026年5月末時点で98名登録と順調に進んでいます。台湾における薬事承認を視野に台北医学大学とブリッジングスタディを実施するための契約を締結しました(2025年12月15日適時開示)。現在、台北医学大学が主体となって、台湾の規制当局であるTaiwan Food and Drug Administration (TFDA) と臨床試験に向けた協議を進めています。 〔 血管肉腫の治療 〕血管肉腫は国内約300人程度の極めて希少ながんであり、5年生存率は9%と非常に低く、悪性度の高いがんです。血管肉腫の標準治療の第1選択薬はパクリタキセルですが、血管肉腫患者の全生存率は649日と短く、長期寛解を得ることは困難です。PAI-1は主として血管内皮から産生されるため、血管内皮細胞の腫瘍である血管肉腫には、PAI-1が多く発現しております。血管肉腫の患者検体を用いた解析で、PAI-1が多く発現している患者の予後は悪いことが明らかとなっています。パクリタキセルはがん細胞を死滅(アポトーシス)させますが、PAI-1を多く発現しているがん細胞はアポトーシスに耐性であることから、PAI-1の発現量が多い血管肉腫では、パクリタキセルが効きにくいと考えられます。 第Ⅱ相試験PAI-1阻害薬RS5614を併用することにより、パクリタキセルの治療効果を増強できる可能性に基づき、東北大学など7医療機関と「皮膚血管肉腫に対するパクリタキセルとRS5614併用の安全性・有効性を検討する第Ⅱ相試験(非盲検)」を開始し(2023年10月26日適時開示)、16例の症例登録を完了し(2025年6月20日適時開示)、全登録患者の投与を予定どおり完了しました(2025年12月12日適時開示)。主要評価項目の解析対象となる16症例において、治療開始28週時点画像判定(中央判定)では、完全奏効(CR)率は12.5%でした。さらに、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)は、それぞれ4.0ヶ月及び20.8ヶ月であり、本邦で前向き臨床試験として実施されたパゾパニブ(JCOG1605)の試験結果である2.8ヶ月及び12.1ヶ月を凌駕する結果が得られました。また、15例中13例(86.7%)で病勢の安定が確認され、高い病勢制御率が示されました(2026年2月10日適時開示)。一方、重篤な副作用や未知の副作用の発現は乏しく、治験薬との因果関係が否定できないGrade3以上の有害事象は16例中5例(31.25%)であり(肝機能障害及び白血球減少)、いずれも回復しており、重篤な治験薬関連有害事象は認められませんでした。JCOG1605におけるGrade3以上の有害事象の70%と比較しても、本剤はより良好な忍容性を示していると考えられます。現在、本試験の評価及びデータ解析を進めており、最終的な治験総括報告書は2026年6月頃を予定しています。 〔 非小細胞肺がんの治療 〕肺がんは日本のがん死亡原因の第一位であり、非小細胞肺がんは全体の85%を占めます。その中で根治的手術が適応とならない局所進行非小細胞肺がん患者は年間1万人にも至ります。非小細胞肺がんモデルマウスを用いた非臨床試験により、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブとRS5614の併用投与はニボルマブ単剤投与よりも高い治療効果が得られることを確認しました。さらに、PAI-1ががん血管の新生をもたらし、肺がん細胞の増殖能を亢進していること、ニボルマブに耐性となった肺がん細胞がPAI-1を多く発現していることなどを見出しました。 前期第Ⅱ相試験切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者(3次治療以降の患者)を対象に、広島大学、島根大学、岡山大学、鳥取大学、四国がんセンター、広島市民病院などの医療機関と協力して、ニボルマブとRS5614との併用投与の有効性及び安全性を確認するための前期第Ⅱ相試験(非盲検試験)を開始し(2023年9月26日適時開示)、36症例の登録を終了しました(2025年7月3日適時開示)。その後、治験調整医師(治験代表医師)及び治験責任医師(実施医師)から、有効性(奏効)が確認できている患者もいることから、RS5614の投与継続の依頼があり、試験期間を3ヶ月延長し(2025年11月26日適時開示)、試験は終了しました(2026年3月5日適時開示)。全症例(3次治療以降)での評価は、主要評価項目である奏効率(ORR)は8.3%、副次評価項目である6ヶ月無増悪生存割合(PFS)22.5%でした。そのうち3次治療として本治験治療を受けた11例で評価すると、奏効率18.2%、6ヶ月無増悪生存割合 27.5%と高い有効性を示す結果が得られました。最終的な治験総括報告書は2026年8月頃を予定しています。 後期第Ⅱ相試験局所進行非小細胞肺がん患者に対しては、根治を目的として化学放射線療法が標準治療として行われ、化学放射線療法後に病勢進行や重篤な放射線肺障害を含む合併症が認められない症例では、免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブによる地固め療法が施行されます。前期第Ⅱ相試験において、RS5614の免疫チェックポイント阻害薬の効果増強が期待されること、また、早期の治療がより有効性が高い結果が得られていることから、後期第Ⅱ相として「局所進行非小細胞肺がんを対象に、初回標準治療である化学放射線療法とデュルバルマブによる地固め療法に対するPAI-1阻害薬(RS5614)併用療法の有効性と安全性を検討する医師主導治験(2025年11月26日適時開示)」を、広島大学病院など12医療機関と2026年4月頃に開始しました(2026年4月24日適時開示)。非小細胞肺がんに対する初回標準治療の課題として、1)放射線治療に対する抵抗性、2)化学治療に対する耐性、3)免疫チェックポイント阻害薬に対する耐性、4)放射線や免疫チェックポイント阻害薬に伴う肺障害(副作用)などがあります。次相試験の目的は、根治手術が適応とならない局所進行非小細胞肺がん患者対象とし、根治照射を含む化学放射線療法及びデュルバルマブによる地固め療法にPAI-1阻害薬RS5614を併用することで、1)化学放射線療法及びデュルバルマブによる抗腫瘍効果増強による根治率の向上と、2)放射線療法及びデュルバルマブによる肺障害(副作用)の抑制による治療安全性の改善が得られるかを検討し、RS5614併用治療が現行の初回標準治療を上回る新たな治療となり得るかを明らかにすることです。当社は、国立大学法人広島大学と非小細胞肺がんに対する非臨床試験及び臨床試験に向けての共同研究契約を締結し、さらに包括的研究協力に関する協定書を締結して(2023年4月24日適時開示)、オープンイノベーション拠点(Hiroshima University x Renascience Open Innovation Labo:HiREx)を設けています。これら肺がんの試験はHiRExを主体に実施しています。 〔 膵臓がんの治療…
財務は有価証券報告書、株価は市場の公開情報。 数値の正確性は保証しません。 水色のセルは、次の基準を満たすときです。成長率20%以上/総利益率70%以上/販管費率10%以下/営利率20%以上/Rule of 40が40%以上/セールス効率150%以上/PSRがRule of 40×7以下/PGPRがRule of 40×10以下/PERが成長率×100以下/PBRが営利率×10以下/ネットキャッシュが時価総額の50%以上/EV/EBITDAが5倍以下/自己資本比率80%以上/ROE20%以上/ROA10%以上。