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大阪大学発の機能性ペプチド技術を基盤に医薬品や化粧品などの研究開発を行いライセンス契約や製品販売で収益を得ています
有価証券報告書(2025-12期)からの抜粋。
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(注)1.研究開発・販売権等のライセンス契約を締結する前に、その契約締結に対するオプションを付与するオプション契約を締結する場合もあります。
2.株式会社メディパルホールディングスとの提携契約に基づき、抗体誘導ペプチドプロジェクトから創出した医薬品候補を製薬会社に導出した際には、当社グループは同社に対し「利益分配金」として、製薬会社から受け取る契約一時金及び開発マイルストーンの一部を支払う予定であります。 当社グループは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドの研究開発を進め、医薬品分野で実用化することを主な事業としております。事業内容の詳細は以下のとおりであります。
(1)技術シーズの起源
① 「機能性ペプチド」とは?ペプチドとは、アミノ酸2~50個程度が結合した物質であります。一般的に、50個以下のアミノ酸が鎖状に結合した物質をペプチドと呼び、それ以上の数のアミノ酸が結合した物質をタンパク質と呼んでおります。ペプチドの中には、生体内等で機能を発揮するものがあり、「機能性ペプチド」と呼ばれています。機能性ペプチドは、医薬品、化粧品及び食品等の幅広い事業分野で実用化されています。例えば、生体内のペプチドには、体内の器官の働きを調整するための情報伝達を担うホルモン等(インスリン(*)、グルカゴン、カルシトニン等が含まれます)があり、タンパク質のように生体内で機能を担っております。これらのホルモン由来の機能性ペプチドは、がんや糖尿病領域の医薬品として発売されております。また、タンパク質の分解過程で生じるペプチドが機能を持っていることもあり、血圧降下ペプチド等の特定保健用食品等の食品分野や、スキンケアやヘアケア商品として化粧品分野で利用されています。 <機能性ペプチドを利用した主な医薬品及び食品> 分野領域機能性ペプチド売上高医薬品糖尿病インスリン製剤(ホルモン関連)1兆3,666億円
(注)1(世界、2024年度) がん他ゴセレリン(ホルモン関連)1,042百万ドル
(注)2(世界、2024年度) リュープロレリン(ホルモン関連)640百万ドル
(注)2(世界、2024年度)食品(特定保健用食品)血圧降下イワシペプチド、ラクトトリペプチド、ワカメペプチド、ゴマペプチド他―
(注)1.Novo Nordisk社のInsulin sales DKK 55,373 million。(2025年末の為替レートを参考に1DKK=24.68円で換算しています)出所:Novo Nordisk社「Annual Report 2024」2.出所:Citeline「Biomedtracker」(March 2025)
② 技術シーズの起源当社グループの技術シーズの起源は、大阪大学大学院医学系研究科における新規血管新生因子の探索研究により同定されたAG30(angiogenic peptide 30)であります。AG30は30アミノ酸からなる機能性ペプチドで、血管新生作用を持っており、更に、抗菌活性を併せ持つ創薬シーズであります。 当社グループの研究者は、機能性ペプチドAG30を起源とし、そのペプチドを構成するアミノ酸の一部を置き換える検討を重ねることで、目的とする機能が増強したペプチド「SR-0379」、新しい機能が付与されたペプチド「AJP001」及び多機能の活性を示すペプチドの特定の機能が消失しているペプチド「キュアペプチン」などの機能性ペプチドを見出しました。 (A)SR-0379SR-0379は、AG30を起源とし、生体内安定性や製造コストを改良し、医薬品として最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。SR-0379は、血管新生や肉芽(*)形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持った皮膚潰瘍治療薬として日本で開発が進んでおります。 (B)AJP001AJP001は、AG30を起源とし、アジュバント(*)機能を増強した20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。当社グループは、AJP001を抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術として利用しております。当社グループは、この創薬プラットフォーム技術を強みとして新規開発品を創出して研究開発パイプラインの強化を図っております。現在、先行開発品FPP003及びFPP004Xが臨床試験段階にあり、多数の様々な研究テーマが進行中であります。 (C)キュアペプチンキュアペプチンは、AG30を起源とし、血管新生作用を持たず、幅広い抗菌活性を持つ機能性ペプチドとして最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。キュアペプチン含有商品については、その抗菌活性を生かした化粧品分野への応用を検討しております。 (D)機能性ショートペプチド群機能性ショートペプチド(*)OSK9/AAPは、AG30を起源とし、アンチエイジング機能(*)により最適化を図った短い機能性ペプチドで、株式会社アルビオンの化粧品(アンフィネス)に美容成分として配合されております(OSK9は株式会社アルビオンの登録商標、AAP(ダブルエーペプチド)は当社グループの登録商標です)。当社グループの機能性ペプチド創生の経緯は、下記の通りであります。AG30を起源として、機能性ペプチド「SR-0379」「キュアペプチン」、機能性ペプチドの一種である抗体誘導ペプチド「FPP003」「FPP004X」「FPP005」、更にショートペプチド群が創生されてきました。現在、更なる抗体誘導ペプチドの新規開発品の創出を図っております。<技術シーズの起源>
(2)抗体誘導ペプチド当社グループの創薬活動の強みは、新しいモダリティ(創薬技術)である抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を保有していることであります。このプラットフォーム技術にもとづき、多様な抗体誘導ペプチドを開発することによって社会に貢献していきたいと考えております。 抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で「抗体」産生を誘導して治療効果を示すペプチド治療ワクチンであります。先進国では高齢化社会を迎え医療財政問題が深刻化しておりますが、その要因の一つは、高額な抗体医薬品等の市場が拡大していることであります(後述の「抗体医薬品市場の推移」のグラフをご参照ください)。当社グループは、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、医療財政問題の解決に貢献することを目指してまいります。 <抗体誘導ペプチドの特徴> ◆ 薬剤費抑制により医療費を抑制して医療財政問題への貢献を期待できる・抗体医薬品と違い、化学合成で製造可能な抗体誘導ペプチドは製造コスト抑制を期待できる・既存の抗体医薬品と(ターゲットとなる標的タンパク質を阻害する)作用メカニズムが同じであることから、開発成功確率が高まり、多額な医薬品開発費用の抑制を期待できる ◆ 患者様の体内で免疫細胞が一定期間抗体を産生するため、投与頻度が少なく患者様の負担が少ない ◆ 既存の抗体医薬品を参考に、創薬プラットフォーム技術を用いて多様な標的タンパク質・疾患に対する抗体誘導ペプチドを順次創生していくことができるため、広範な製品群・疾患への適用可能性をもつ ◆ 高額な抗体医薬品では投与対象にならなかった患者層への適用範囲拡大も期待できる
① 抗体医薬品との違い抗体医薬品は「体外で製造する抗体」であるのに対し、抗体誘導ペプチドは、元々生体に備わった能力を利用して「体内で抗体を産生させる」ペプチドであるため、製造コストを低く抑制することを期待できます。また、抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で免疫細胞が「抗体」を一定期間持続的に産生するため、薬剤投与頻度が少なく患者様の負担が少ないと考えられます。「抗体」は、細菌やウイルス等の「外来の異物」を排除するために免疫細胞(B細胞)が産生する物質であり、元々生体内で産生されている物質であります。この細菌やウイルス等の「外来の異物」に対する生体内の抗体産生能力を利用した薬剤が感染症予防ワクチンであります。「抗体」は、標的となる物質に対する特異性が高いため、有効性及び安全性が高い抗体医薬品として実用化されており、従来型医薬品では十分な効果等が得られなかった難治性疾患の治療に活用されております。しかし、多くの抗体医薬品の標的タンパク質は生体内に存在する「自己タンパク質」であるため、免疫寛容(*)という仕組みによって生体内では抗体は産生されません。抗体医薬品は、分子量が約15万と大きく構造が複雑なタンパク質であるために、バイオ製造施設で生きた動物細胞を培養して製造する必要があり、設備、コストと手間がかかり製造コストが高くなります。これに対し、抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で標的タンパク質(自己タンパク質)に対する「抗体」を産生するように設計したペプチドワクチンであります。抗体誘導ペプチドは、化学合成で製造可能なペプチド(分子量数千)であり、投与後は体内で免疫細胞(B細胞)が「抗体」を一定期間持続的に産生するため、製造コストを抑制することが期待されます。 <抗体医薬品と抗体誘導ペプチドの違い>
② 創薬プラットフォーム技術「STEP UP」多くの抗体医薬品、抗体誘導ペプチドの対象疾患は慢性疾患であり、標的タンパク質は「自己タンパク質」であります。通常、「自己タンパク質」に対して抗体は産生されませんが、抗体誘導ペプチドは、「自己タンパク質」に対して免疫反応を引き起こす役割を担う「キャリア」と、標的タンパク質の一部の短いペプチド(又は類似ペプチド)である「エピトープ」を結合することによって、標的の自己タンパク質に対する抗体を産生できるように設計しております。当社グループの抗体誘導ペプチドプロジェクトの強みは、(A)「キャリア」に当社グループ独自の機能性ペプチド「AJP001」を使用していること、(B)標的タンパク質の特性(物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に応じた「エピトープ」を設計・選定する技術ノウハウを有していることであり、当社グループは、これら2つの強みを合わせてプラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」と呼んでおります。 <プラットフォーム技術「STEP UP」> (A)「キャリア」に使用する当社グループ独自の機能性ペプチド「AJP001」抗体誘導ペプチドは、標的の「自己タンパク質」に対する免疫反応を引き起こす役割を担う「キャリア」を結合しております。 一般的に「キャリア」には、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH, Keyhole limpet hemocyanin)、ウイルス様粒子(VLP, Virus like particle)、破傷風トキソイド(TT, tetanus toxoid)及びジフテリアトキソイド(DT, diphtheria toxoid)等が使用されておりますが、これらの生物由来の「キャリア」には、下記の課題があります。 生物由来の「キャリア」の課題◆ 標的タンパク質に対する抗体に加え、「キャリア」に対する抗体(薬剤に対する抗体)が誘導され、初回投与後の反復投与時に効果が減弱する可能性があること◆ 製造上の品質確保(「エピトープ」と「キャリア」の縮合反応の制御等)の難易度が高いこと◆ アレルギーやアナフィラキシー(*)のような期待しない免疫反応を引き起こす懸念があること 当社グループが「キャリア」として使用している機能性ペプチドAJP001は20アミノ酸(分子量約3千)であり、生物由来のキャリア(分子量は数万~数百万)と比較して分子量が相対的に小さいものの、「キャリア」として機能することが確認されており、これらの課題を解決することを期待しております。 (B)「エピトープ」を選定する技術ノウハウ「エピトープ」は、抗体が認識する、免疫反応の対象となる物質(以下、抗原といいます)の一部のことであります。抗体は抗原と結合するとき、その抗原全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな一部分のペプチド(通常6-10アミノ酸程度)のみを認識して結合します。このペプチドがエピトープと呼ばれています。通常、1つの抗原には多数のエピトープが含まれております。抗体誘導ペプチドに用いる「エピトープ」は、多数ある候補ペプチドのうち、標的タンパク質の機能を阻害して治療効果が期待される「エピトープ」を選択する必要がありますが、当社グループは、大阪大学との共同研究等によって、標的タンパク質の特性(アミノ酸の物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に基づき、治療効果が最も期待される「エピトープ」を選択する技術ノウハウを保有していることが強みであります。(ご参考)抗体誘導ペプチドの作用メカニズム - 免疫寛容を回避する仕組み - 抗体誘導ペプチドが抗体産生を誘導するメカニズムの概要は前述の通りですが、ここでは医薬分野の専門知識をお持ちの投資家の方々に向けて、専門用語を用いた補足説明をいたします。 生体内で抗体が産生するためには、B細胞が抗原(標的タンパク質)を認識し、更にヘルパーT細胞からの刺激によってB細胞が活性化する必要があります。しかし、自己抗原(自己タンパク質等)に対しては、ヘルパーT細胞が活性化しないため抗体が産生されません。抗体誘導ペプチドは、ヘルパーT細胞を活性化するT細胞エピトープを含んだ「キャリア」に、B細胞が認識する「エピトープ」(B細胞エピトープともいいます)を結合し、標的の自己タンパク質に対する抗体産生を誘導するように設計しております。 抗体誘導ペプチドの作用メカニズム◆ 生体内に投与された抗体誘導ペプチドは、樹状細胞に取り込まれ、抗体誘導ペプチドを取り込んだ樹状細胞は、T細胞エピトープ(抗体誘導ペプチドの「キャリア(AJP001)」部分)をMHCクラスIIに提示します。そして、これを認識するAJP001特異的ヘルパーT細胞が活性化します。◆ 一方、B細胞はB細胞受容体を介してB細胞エピトープを認識し抗体誘導ペプチドを取り込みます。抗体誘導ペプチドを取り込んだB細胞は、T細胞エピトープ(AJP001)をMHCクラスIIに提示します。樹状細胞により活性化されたAJP001特異的ヘルパーT細胞がAJP001を提示しているB細胞を活性化します。活性化されたB細胞は増殖しB細胞エピトープ特異的な抗体を産生します。この抗体が標的タンパク質に結合することにより阻害活性を示し治療効果を発揮します。 AJP001と他のキャリアとの違い◆ 自己タンパク質に対する抗体を産生させる場合、生物由来のキャリア(スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、ウイルス様粒子(VLP)、破傷風トキソイド(TT)及びジフテリアトキソイド(DT)等)を用いることが多いですが、これらのキャリアにはT細胞エピトープだけでなくB細胞エピトープも含まれるため、キャリアに対する抗体も産生されます。そのため、繰り返し投与するとキャリアに対する免疫誘導が強くなり、標的タンパク質に対する免疫誘導が減弱する可能性があります。一方、AJP001をキャリアとした場合、AJP001に対する抗体は産生されないため、標的タンパク質特異的に抗体産生を誘導することが可能です。 <抗体誘導ペプチドの作用メカニズム> *1:MHC class IIは樹状細胞やB細胞などの抗原提示細胞に発現する。抗原を取り込んだ抗原提示細胞は、取り込んだ抗原をペプチドに分解しMHC class IIとの複合体としてT細胞に抗原提示する。*2:B細胞では細胞膜上に発現する抗体分子が抗原受容体(B細胞受容体)として働く。B細胞はB細胞受容体に結合した抗原を取り込みヘルパーT細胞に提示し活性化され抗体を産生する。B細胞受容体が放出されたものが抗体である。 このプラットフォーム技術「STEP UP」を創薬活動の強みとして、当社グループは、AJP001と、様々な標的タンパク質(エピトープ)を組み合わせることによって、標的タンパク質IL-17Aに対する抗体誘導ペプチド「FPP003」、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチド「FPP004X」及び標的タンパク質IL-23に対する抗体誘導ペプチド「FPP005」に続いて、様々な標的タンパク質に対する抗体誘導ペプチドを創生し、研究開発パイプラインの拡充を図ってまいります。 <抗体誘導ペプチドの開発パイプライン拡充>
③ 抗体誘導ペプチドの将来性抗体誘導ペプチドは、抗体医薬品の代替医薬品として、既存の抗体医薬品を参考に多様な標的タンパク質ごとに開発品を創生し、様々な疾患に開発対象を順次広げていくことができ、広範な製品群、疾患への適用可能性があります。更に、高額な抗体医薬品では投与対象外であった重症度の患者層や、対象疾患への適用範囲拡大も期待できます。 (A)抗体医薬品の代替医薬品抗体医薬品市場は、2022年に前年比32%増加の28兆6,182億円に達しており、大幅な増加傾向が続いております。ターゲット市場は既に顕在化した市場であり、抗体誘導ペプチドは、既存の抗体医薬品を参考にして開発戦略を構築することができます。 <抗体医薬品市場の推移> (出所)TPCマーケティングリサーチ社「2024年 世界の抗体医薬品市場」 抗体医薬品は、様々な標的タンパク質に対する製品が発売されております。当社グループは、標的タンパク質IL-17A(FPP003)、IgE(FPP004X)及びIL-23(FPP005)に対する抗体誘導ペプチドの開発を進めておりますが、創薬プラットフォーム技術を活用し、既存の抗体医薬品を参考にして様々な標的タンパク質に対する抗体誘導ペプチドの開発品を順次創出していくことが可能と考えております。例えば、下記の標的タンパク質に対する新規抗体誘導ペプチドを創生していくことを想定しております。 <抗体医薬品の主な標的タンパク質と対象疾患> 領域主な標的タンパク質
(注)1主な対象疾患主要製品の世界売上高(2024年、百万ドル)炎症IL-17A、IgE、IL-23、TNFα、IL-12/23p40、IL-6、α4β7インテグリン、IL-4/13、IL-5、BLyS、IL-13、その他関節リウマチ、尋常性乾癬、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、気管支喘息、慢性蕁麻疹、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)、アトピー性皮膚炎、その他SkyriziStelaraHumiraCosentyxXolair11,71810,3618,9936,1414,449精神神経α4インテグリン、CGRP、NGF
(注)2、アミロイドβ、タウ
(注)2、αシヌクレイン
(注)2、その他多発性硬化症、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、パーキンソン病、その他TysabriEmgality Aimovig1,715977620骨RANKL、スクレロスチン骨粗鬆症、その他ProliaEvenity4,6532,038循環器PCSK9家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症RepathaPraluent2,232764その他補体(C5)発作性夜間ヘモグロビン尿症、その他Soliris2,588
(注)1.表中の標的タンパク質に対する受容体を含みます。
2.開発段階の抗体医薬品の標的タンパク質です。(出所)主要製品の世界売上高は、Citeline「Biomedtracker」(March 2025) 既存の抗体医薬品は、様々な対象疾患の薬事承認を取得しており有効性及び安全性が証明されております。したがって、抗体誘導ペプチドの各開発品は、抗体医薬品の対象疾患を参考にして開発対象疾患を拡大していくことが可能と考えております。例えば、FPP003の場合は抗IL-17A抗体医薬品を参考に、現在開発中の乾癬、強直性脊椎炎から関節症性乾癬、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎へ、FPP004Xの場合は抗IgE抗体医薬品を参考に、現在開発中の花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)から気管支喘息、慢性蕁麻疹へと対象を拡大することを想定しております。 抗体誘導ペプチドは、既存の抗体医薬品と同じ作用メカニズム(同じ標的タンパク質を阻害して対象疾患を治療するメカニズム)であることから、医薬品開発リスクを低減でき、さらに抗体医薬品の対象疾患を参考に開発対象疾患を広げていくことが可能と考えております。 <抗体医薬品の代替医薬品としての将来性> (B)幅広い対象患者層への適用抗体医薬品は治療効果が大きく副作用が少ないにもかかわらず、使用範囲が一部の重症患者に限定されております。その主要な要因は高額な薬剤費用ですが、抗体誘導ペプチドは、薬剤費用を抑制でき、その課題を解決して、現在は費用面が障害となって抗体医薬品の使用を控え他種類の薬剤が使用されている患者層や、価格面が障害となって抗体医薬品が開発されていない生活習慣病等の疾患への適用範囲拡大も可能と考えております。 a)高額な抗体医薬品が使用できない患者層高額な抗体医薬品は、既存療法で効果が不十分な患者等、投与対象患者が一定の患者層に限定されております。抗体誘導ペプチドは、重症度が早期ステージの患者層など薬剤費用がハードルとなって使用できなかった患者層への適用範囲拡大を目指してまいります。 b)生活習慣病等の疾患への適用拡大高血圧、糖尿病及び高脂血症等の生活習慣病に対しては、一般的に低分子医薬品が使用されております。これらの低分子医薬品は、連日投与の経口剤であります。しかし、生活習慣病は明確な症状がない場合が多く、また服薬管理を自ら行うことが難しい高齢者の患者が多いことから、服薬管理が良好な患者の割合は低い水準に留まっており、服薬アドヒアランス(*)向上が課題となっております(米国において実施された高脂血症治療薬の服薬状況の調査では25~40%(出所:Jackevicius et al.(2002)(*))。抗体誘導ペプチドは、免疫細胞が一定期間抗体を産生して効果が持続するため、数カ月一回投与と投与間隔が長く患者様の負担が少なく、服薬アドヒアランス向上を通して生活習慣病を適正にコントロールし、心血管イベント等の合併症の発生を予防できる患者の割合が増えるものと考えられます。当社グループでは、大阪大学との共同研究によって、高血圧や抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチドの探索研究を進めております。 <幅広い対象患者層への適用> 抗体誘導ペプチドのように慢性疾患を対象とするペプチドワクチンは、当社グループのみならず海外企業によりアルツハイマー病やパーキンソン病を対象疾患として研究開発が行われております。
④ 抗体誘導ペプチドの開発パイプライン現在、開発段階にある抗体誘導ペプチドは、標的タンパク質IL-17Aに対するFPP003、標的タンパク質IgEに対するFPP004X及び標的タンパク質IL-23に対するFPP005であります。(研究開発パイプライン表は、「
(3)研究開発パイプライン」をご参照ください。) (A)FPP003◇ 概要FPP003は、標的タンパク質IL-17A(Interleukin 17A)に対する抗体誘導ペプチドであります。IL-17Aは、免疫反応に関するサイトカイン(*)の一つであり、乾癬及び強直性脊椎炎等に関与していることが明らかになっています。 ◇ 対象疾患現在開発中の対象疾患は、尋常性乾癬及び強直性脊椎炎であります。IL-17Aを標的タンパク質とする既存の抗体医薬品は、日米欧で尋常性乾癬及び強直性脊椎炎以外に、関節症性乾癬及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等の薬事承認を取得しております。当社グループといたしましては、抗体医薬品が使用されている幅広い患者様への貢献を目指してまいります。 ◇ 開発状況FPP003は、大阪大学との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。当社グループがオーストラリアで実施した尋常性乾癬を対象とする第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験の結果において、FPP003投与症例の約8割(高用量コホート、陽性率78%(9例中7例))で抗IL-17A抗体(標的タンパク質IL-17Aのエピトープに対する抗体)の抗体価の持続的な上昇が確認されました。安全性に関しては、ワクチンで頻繁にみられる局所反応以外に特に臨床的に問題となるものはみられませんでした。強直性脊椎炎に対する開発については、日本で医師主導治験として第Ⅱa相臨床試験が実施されました。本医師主導治験は、大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「難治性疾患実用化研究事業(2次公募)/希少難治性疾患に対する画期的な医薬品の実用化に関する研究分野」の研究開発テーマです。 ◇ 技術導入状況当社グループは、2018年8月に、大阪大学より、FPP003を含む抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾を受けております(対象の特許権は、大阪大学と当社グループの共同所有)。 (B)FPP004X◇ 概要FPP004Xは、標的タンパク質IgE(Immunoglobulin E)に対する抗体誘導ペプチドであります。IgEは、アレルギー反応に重要な役割を果たしており、アレルギー性疾患の発症に関与しております。 ◇ 対象疾患現在開発中の対象疾患は、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)であります。花粉症は、スギやヒノキ等の植物の花粉に対する過剰なアレルギー反応を起こすアレルギー疾患です。代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなどです。日本国内の全国疫学調査による有病率iは、2019年に花粉症全体で42.5%、患者数の多いスギ花粉症で38.8%と高く、またそれぞれ10年前(2008年)と比較して10%以上上昇しています。花粉症を含むアレルギー性鼻炎の医薬品(内服薬)市場は約1,700億円(2019年)ⅱです。このため、政府は、国民病とも言われ、多くの国民を悩ませ続けている花粉症を社会問題として捉え、花粉症対策に取り組んでいます。IgE(Immunoglobulin E)は、体内に入った異物を排除する働きを持つ抗体の一種で、花粉等の原因物質(アレルゲン)に結合するとアレルギー反応を引き起こします。FPP004Xは、免疫細胞に抗IgE抗体を一定期間産生させることから、各種アレルギー疾患に対する持続的な効果が期待されます。この特長を活かし、当社グループは、国民病と言われ社会問題となっている花粉症を第一の適応症として、花粉飛散前に投与することでシーズンを通して症状を緩和できる、患者様にとって利便性の高い新しい治療選択肢を提供することを目指しています。 i 松原 篤他. 鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年, 2008年との比較): 速報 -耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-. 日耳鼻 2020;123:485-490.ⅱ 花粉症に関する関係閣僚会議「花粉症対策(厚生労働省)」 ◇ 開発状況FPP004Xは、大阪大学との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。本書提出日現在、第Ⅰ相臨床試験の段階にあります。 ◇ 技術導入状況当社グループは、2024年4月に、大阪大学より、FPP004Xの独占的な実施権の許諾を受けております(対象の特許権は、大阪大学と当社グループの共同所有)。 ◇ 提携状況当社グループは、2024年3月に、塩野義製薬株式会社との間でオプション契約を締結いたしました。このオプション契約により、塩野義製薬株式会社は、当社グループが実施する臨床試験の結果等にもとづき、全世界における独占的研究開発及び商業化権を取得する権利を保有しております。その対価として、当社グループは、契約締結に伴う一時金、オプション権が行使された場合のライセンス契約の一時金、研究開発の進捗に応じた開発マイルストーン、販売額に応じた販売マイルストーン及びロイヤリティーを受け取る予定であります。 (C)FPP005◇ 概要FPP005は、標的タンパク質IL-23(Interleukin-23)に対する抗体誘導ペプチドであります。IL-23は、免疫反応に関するサイトカインの一つであり、乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等に関与していることが明らかになっています。 ◇ 対象疾患現在開発中の対象疾患は、尋常性乾癬であります。IL-23を標的タンパク質とする既存の抗体医薬品は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでおります。 ◇ 開発状況FPP005は、大阪大学との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。本書提出日現在、前臨床試験の段階にあります。現在、開発品プロファイルの向上を目指した改良化合物の探索研究に取り組んでおります。本研究開発(IL-23を標的とした抗体誘導ペプチドの研究開発)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援の成果に基づき実施しております。 ◇ 技術導入状況当社グループは、2023年3月に、大阪大学より、FPP005を含む抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾を受けております(対象の特許権は、大阪大学と当社グループの共同所有)。
⑤ 抗体誘導ペプチドの研究テーマ抗体誘導ペプチドの探索研究は、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究により実施しております。抗体医薬品の代替医薬品として、片頭痛を対象とする抗体誘導ペプチドの研究を行っており、アンメットメディカルニーズが高い疾患のアルツハイマー病を対象とする研究も実施中です。更に生活習慣病の高血圧及び抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチドの研究、熊本大学との共同研究により脂質異常症を対象とする抗体誘導ペプチドの研究、東京大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究開発プログラムの研究テーマとして心不全を対象とする抗体誘導ペプチドの研究に取り組んでおります。住友ファーマ株式会社とは精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約を締結し、製薬会社とのアライアンスのもとでの探索研究にも取り組んでおります。新規開発化合物の探索研究と並行して、アジュバント技術を含めて強力な抗体産生を誘導する様々な製剤技術の研究にも取り組んでおります。2024年10月からは塩野義製薬株式会社と新規ワクチンアジュバントに関する共同研究を実施中です。(研究開発パイプライン表は、「
(3)研究開発パイプライン」をご参照ください。) ◇ 提携状況当社グループは、2018年3月に、大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間で、精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約を締結しており、これに基づき、同社が探索研究を実施しております。 [ 研究開発支援に関する提携 ]当社グループは、2016年2月に、株式会社メディパルホールディングスとの間で抗体誘導ペプチドの研究開発に関する提携契約を締結しております。これにより、当社グループは、契約時に一時金を受け取ったほか、2016年4月以降の3年間にわたって研究開発協力金を受け取りました。一方、その対価として、株式会社メディパルホールディングスは、当社グループが抗体誘導ペプチドプロジェクトから創出した一定数の医薬品候補(以下、「対象医薬品」という。)について、当社グループが導出先の製薬会社から受け取る契約一時金及び開発マイルストーンの一部を受け取るほか、当該医薬品の日本国内等の卸売販売について優先交渉権を取得する予定であります。利益分配等の対象医薬品については、これまでにFPP003、FPP004X及びFPP005が選定されております。
(3)研究開発パイプライン当社グループの研究開発パイプライン表は、下記の図のとおりであります。当社グループは、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を強みとして、大阪大学との産学連携のもとで様々な対象疾患に対する抗体誘導ペプチドの探索研究を行い、現在臨床試験段階にあるFPP003及びFPP004Xを創出し、更に今後の新規開発品についても、抗体誘導ペプチドの多様な研究テーマから創出していく方針であります。一方、AG30を起源とする皮膚潰瘍治療薬SR-0379は、大阪大学大学院医学系研究科及びアンジェス株式会社との連携のもとで創生された開発品であり、その後アカデミア主導の前臨床試験及び複数の医師主導治験が実施され、現在、塩野義製薬株式会社と当社グループの共同開発が進んでおります。SR-0379は、高齢化社会を迎え益々重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍治療において、今後拡大が見込まれる在宅医療でも取り扱いやすい簡便な使用法によって、幅広い患者様のQOL(Quality of Life、生活の質)に貢献できる薬剤として開発を進めてまいります。 <医薬品>・ 開発品
(注)1.大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「難治性疾患実用化研究事業(2次公募)/希少難治性疾患に対する画期的な医薬品の実用化に関する研究分野」の研究開発テーマです。医師主導治験(第Ⅱa相臨床試験)は、体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)患者を対象に実施しております。
2.国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援の成果に基づき、開発を進めています。 ・ 研究テーマ
(注)東京大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度「ゲノム研究を創薬等出口に繋げる研究開発プログラム」の研究テーマです。 <化粧品等>2024年8月に株式会社アルビオンからスキンケア化粧品シリーズ「アンフィネス」(リニューアル製品)、2018年3月に株式会社ファンケルから「マイルドクレンジングシャンプー」、2020年4月に株式会社SMV JAPANから「携帯アルコール除菌スプレー」等が発売され、当社グループの機能性ペプチドを含有する商品が販売されております。これらの商品販売に関し、当社グループは化粧品原料商社又は販社に対して機能性ペプチドを販売しております。
① SR-0379◇ 概要SR-0379は、AG30を起源とし、生体内安定性や製造コストを改良し、医薬品として最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。血管新生や肉芽形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持っております。皮膚潰瘍は、皮膚のバリア機能が欠損した状態にあり、創面には様々な細菌が付着しております。細菌増殖により感染状態になると創傷治癒が遅延し、更に敗血症により重篤な状態が生じる可能性があるため、細菌、感染のコントロールは重要であります。創傷治癒促進作用を持つ既存薬には抗菌活性はなく、SR-0379独自の強みであります。 <SR-0379の作用メカニズム>…
財務は有価証券報告書、株価は市場の公開情報。 数値の正確性は保証しません。 水色のセルは、次の基準を満たすときです。成長率20%以上/総利益率70%以上/販管費率10%以下/営利率20%以上/Rule of 40が40%以上/セールス効率150%以上/PSRがRule of 40×7以下/PGPRがRule of 40×10以下/PERが成長率×100以下/PBRが営利率×10以下/ネットキャッシュが時価総額の50%以上/EV/EBITDAが5倍以下/自己資本比率80%以上/ROE20%以上/ROA10%以上。