AIRコラム/2026-08-09
「話せない/コメント控え」の選び方|AIR取材中に線を守る答え方
上場企業IR向けに、AIRの非同期取材で使える「話せない/コメント控え」系の選択肢の使いどころを解説。公開情報前提を崩さず、開示資料参照とコメント控えを切り替える実務を整理します。
答え方の選択肢は「全部話す/黙る」の二択ではない
AIR(AI Analyst IR)の企業向け取材は、公開情報の範囲での対話が前提です。企業向けご案内でも、未公開の重要事実の開示を求めるものではないと明記されています。それでも現場では、「短信に書いた範囲なら話せる」「見通しの確度はコメントを控えたい」が混在します。
音声でもテキストでも、回答の途中で「話せない/コメント控え」に相当する選択肢が用意される設計です。これは逃げではなく、フェア・ディスクロージャー(FD)の線をルーム内でも再現するための操作です。特別指定(投資家側のディープ取材に相当)でも、限定提供だからといって未公表の数字を補う必要はありません。
いつ「コメント控え」を選ぶか
次のような論点では、無理に言い換えて埋めない方が安全です。
- 未公表の着地・パイプライン・個別顧客の数量: 開示前の確度の高い数字
- 競合比較で、自社資料に根拠がない評価: 感想での補完は後から解釈が分かれやすい
- 適時開示直後で、社内の説明トーンがまだ固定されていない: 先に短信・説明資料の該当箇所へ寄せる
逆に、有価証券報告書・短信・決算説明資料に書かれている事実の再整理なら、コメント控えではなく、該当箇所を示して答える方が投資家にもIRにも残ります。書き起こしは無償で受け取れるため、社内の想定問答更新にも回せます。
答え方の型(そのまま使える)
- 「本件は○月○日の決算説明資料○ページに記載の範囲でお答えします」
- 「個別顧客名や未公表の数量感についてはコメントを控え、公開しているセグメント方針のみご説明します」
- 「見通しの確度に触れる部分は控え、開示済みの前提条件だけを繰り返します」
音声で話し始めたあとでも、途中からテキスト入力に切り替えて要点だけ残す使い方ができます。線引きに迷ったら、まずコメント控えを選び、開示後に同じ論点で受け直す方が、訂正コストは小さく済みます。
FDの考え方の整理はフェア・ディスクロージャーと非同期IR取材も参照ください。サービス全体の流れは企業向けご案内、負荷の棚卸しはIR負荷診断へどうぞ。
まとめ
「話せない/コメント控え」は、公開情報前提をルーム操作として守るための選択肢です。開示資料で言えることと、今は控えることを分けて答えると、書き起こしも社内資産として使いやすくなります。
